山奥ニートだけどアナログゲーム紹介してみる「ハコオンナ」
――アナタも、イッショにカクレンボする……?
というわけで(どういうわけ?)「山奥ニートだけどアナログゲームを紹介してみる」第3弾はハコオンナ!!!
これは同人ゲームである。企業とかで作ったゲームではない。
でも実はその界隈では有名なゲームで、大人気すぎて各店舗で品薄中だったり。共生舎ではなんとか私が苦労して買ったものがある(英断)。
ジャンルとしては探索ゲームだ。大箱でクトゥルフ系の探索ボドゲがよく売られているが和製かつオリジナルってのは珍しい。TRPGっぽさもあある。そういうのが好きな方はぜひぜひ。
今回のゲームはかなり複雑である。どれくらい複雑かって言うと……
どおおおおおん! なんと説明書が4枚つく。これブログで説明無理だ。
やってみたい方は買ってください。これは買う価値のあるゲームだと思います。
はい、ご覧あれ。これがパッケージ写真。かわいらしい女の子がこちらを見て微笑んでいる絵だよ!!!
えー、お気づきの方いらっしゃると思うが、ホラーゲームだね。はい。
でも怖いのが苦手な方も見ていってほしい。いや、むしろそういう方ほどやってほしい。そんなゲームである。
訪問者4名が1Fホールに集結したの図。前回のARGOATでも言ったけど、この訪問者コマを見覚えのある方は立派なボードゲーマーですな。有名ゲームのカルカソンヌなんかのコマと同じはず
プレイヤー数はハコオンナ役1名、訪問者2~4名。つまり3~5人用ゲームだ。
ハコオンナはゲームマスター役となる。訪問者が屋敷を彷徨うのをうまいことサポートしたり妨害したりする役だ。
いわゆる非対称ゲームで、ハコオンナVS訪問者って構図になるのだが、基本的にハコオンナの方が圧倒的に強い。圧倒的に強い。本気でプレイするとハコオンナが圧勝する。ハコオンナ側はゲームマスターとしてほどほどにストレスをかけつつ絶望まではさせない程度にいたぶるテクニックが必要となる。いわゆる「生かさず殺さず」。なかなか高度なプレイングになるため、ハコオンナ役は習熟したプレイヤーにまかせるべきだと思われる。
とりあえず今回は訪問者目線で解説していく。
訪問者たちはこのハコオンナが棲まう館に入り込んでしまった哀れな者たちである。ハコオンナに遭遇すれば瞬く間に犠牲になってしまう。生きたままなんとか脱出するのが訪問者たちの目的。
だが、何故か訪問者が屋敷を設計していいことになっている。なかなか面白いルール。
ハコオンナの館はMAPタイルというタイルの集合体でできている
このタイルを並べることで館を作るのだが、なぜかハコオンナではなく訪問者が並べることになっている。
ここでわいわい「キッチンから食堂までいくのに風呂場通らないといけないってどういうこと?!」「二階部屋少なすぎるって!」「子供部屋隔離され過ぎ!」「怨部屋の位置だけはちゃんとしよ! ねえ!」とか騒いで並べていく。普通に楽しい。とあるプレイヤーは「ハコオンナで一番楽しい瞬間」などと言っていた。それはさすがにどうかと思う。
一番楽しいのは物蔭チップ敷きつめるとこだよ!!!
さてMAPタイルが敷きつめられると今度はMAPタイルの上の四角い枠に物蔭チップと呼ばれるチップを並べていくことになる。
こういうやつ。目がギョロっとしている。怖い。
基本的に、このゲームは屋敷のいたるところにある物蔭チップをめくっていって勝利条件を目指すゲームである。しかし屋敷のどこかにはハコオンナのひそむ物蔭チップが紛れ込んでいる。
か わ い い (真顔)
これである。
このハコオンナチップをめくると即死。即死すると
こういうハコビトと呼ばれる化け物になってしまう。それ以後、ハコオンナと一緒に屋敷を徘徊しては訪問者を襲う――つまりは敵になる。一応、死んでもまだやることがあるので親切設計ではあるのだが、訪問者の時に比べて楽しさが半減する(とある山奥ニート談)とのことなので、できれば死なないようにしたい。
訪問者の勝利条件、「イキノコルミチ」は3つ!
一つずつ説明していく。
1、[脱出] 鍵束を手に、脱出口から脱出する。
まずは鍵束の隠された金庫を開けに行く。
この館の書斎にある書斎机の下には必ずダイヤル式金庫がある。この中に鍵束が入っているので何とかして開ける。
これはダイヤル式金庫を開ける3桁のロックナンバーを示す物蔭チップだ。1~6までの数字が1枚ずつあって、そのうちの3枚がこの金庫のナンバーとして、残りの3枚が屋敷内に散らばっている。よって、屋敷内で見つかったナンバー以外の数字が金庫を開けるナンバーとなる。
金庫を覗きこんだうえで3つ数字を宣言する。順不同。その数字が当たっていたら金庫が開き、金庫の上に置いてある鍵束が手に入るわけだ。
手に入れた鍵束を屋敷内のどこかにある秘密の脱出口につかうことで脱出する。この秘密の脱出口はどこにあるかわからないので屋敷内の物蔭チップめくりまくって捜し歩くことになる。っていうかよくわからない位置に脱出口がある家っていったい……
この勝ち方だとハコオンナは放置されたままなので、ちょっと微妙に思う。他2つの勝ち方の方が結末としてはすっきりするかもしれない。
2、[討伐]討伐アイテムでハコオンナを倒す。
武闘派の方向けの勝ち筋である。
この3つのチップが討伐アイテムだ。屋敷のどこかに置いてある。しかし全部が全部ハコオンナに効くわけではない。
こんな感じで、討伐アイテムの上から赤いバッテンマークのあるチップ一つがハコオンナの弱点としてセットされている。画像の場合は白木の杭だ。この場合、錆びた鎖とガソリンは弱点ではないので効きかない。むしろ返り討ちにされる。弱点としてセットされていない2つのバッテンチップは屋敷のどこかにあるため、捜索することで弱点がわかるかもしれない。
ただ、この討伐アイテムを使うには、屋敷のいずれかの物蔭に向かって、覗きこまずに使用を宣言する必要がある。つまりめくらず、ハコオンナの位置を正確に当てなければいけないわけだ。外したら使用先の物蔭チップもろともこの討伐アイテムも失われる。一回使いきり。これは難易度が高いかと思われる。3つのイキノコルミチの中で一番難しいかも。
3、[供養]亡骸にメリーさんを供える。
これが一番楽だと山奥ではもっぱらの噂だ
ハコオンナの唯一の友達だったメリーさん人形を亡骸に供えることで、ハコオンナを成仏させるルート。内容的に最も美しいかもしれない。すっきりする。屋敷のどこかにあるメリーさん人形を手に入れて、同じくどこかにある亡骸に供えるだけ。ただし亡骸の位置はハコオンナが決めるので、いじわるな位置や守りやすい場所に設置してるケースが多い。そういう意味では難しいかも。
どんな感じのゲームか雰囲気伝わりましただろうか? ちょっと試しにめくった図を見せよう。
本来は訪問者トークンの無い場所はめくれないはずだが、邪魔だったんではじにどけちゃっている。しかも何故か右端でハコオンナが見つめてるという。ハコオンナは本来のゲームでは屋敷のどこかに隠れているのだが、今回は写真を撮る筆者を心配そうに見つめてくれている(しっちゃかめっちゃかだな……)。
くるり!
鍵番号1ゲットー!
これまた本来は自分にだけ見えるようにめくるわけだが――まあ、雰囲気は伝わったかな?
なかなかよくできたゲームで、ストーリーをうまいことゲームシステムに落とし込んでいると感じる。ハコオンナに怯えて、ドキドキしながら物蔭チップをめくるのがクセになる良ゲーである。
他にも物音トークンとかツカウチカラとか訪問者アイテムとかいろいろシステムがある。全部うまいことできてるなと感心する出来栄え。まあ物音トークンについては少し賛否両論あるようだが……
ちなみに共生舎でも、物音トークンで最初プレイしてみたが、不器用な子が崩しまくったり、というかそもそもめちゃ積むのが難しかったりと、ちょっとプレイしづらく感じた。そこで作者様のHPに紹介されていたノー物音システムを採用している……と思いきや、今確認してみたらなんか違うシステムを採用しているようだ。私が勘違いして新たなシステムが出来上がってしまったみたい。おやおや。
共生舎専用ノー物音システムと呼称することにする。
あと、共生舎ではオリジナル要素として、第四のイキノコルミチなんかを企画中。
4、[真相]手記チップ全部集めた上で秘密の脱出口、亡骸、ハコオンナの居場所を言い当てる
手記チップ集めても訪問者に良いことないので、こういう勝ち筋があっても面白いなと思う。イメージとしては、全ての真相を突き止めてハコオンナに語り掛け、和解できた――みたいな、ベタベタのトゥルーエンドっぽい感じか。まああくまでもトランプの地方ルールみたいなもの。こういう勝手なルール変更ができるのもアナログゲームの良いところだと思う。他にも特定のツカウチカラを除外するとか、あらたにストーリーカードを作るとか。いろいろ工夫して遊ばせていただいる。ありがとうハコオンナ。ありがとう制作元のEJIN研究所。
ハコオンナとしてのプレイについて。共生舎でハコオンナ役を最もプレイしてきたのは私だろうが、個人的にはイキノコルミチそれぞれを半分くらいまでは達成させてやるべきじゃないかなと思っている。最初から全力を出せばバッタバッタと殺しつくせてしまうゲームなんで、本気で襲い掛かるのはどうかと。3つのイキノコルミチをそれぞれ半分くらいずつ達成した辺りで力を出す感じの方が、ストレスと希望のバランスがいいと思います。最終的に、一人になった訪問者が、最後のあがきとして使った弱点アイテムがハコオンナに当たって訪問者の勝利――! とか美しい。まあ世の中そんなに上手い事いかないのだが。
ちなみに共生舎ではわりと新しめのゲームなんだが、楽しすぎてヘヴィローテーションしすぎた。一部の山奥ニートはやりすぎて食傷気味になっているレベル。ハコオンナガチ勢なんて言葉もできる始末。もう値段分は遊んだ。「 ううーん、もうハコオンナはお腹いっぱいだよぉ……」勢も何人かいる。私は未だに好きだがな!
さて、私はこのゲームを、制作者さんがアマゾンに出品していたのでそこから買った。ゲームマーケットなんかで売る時より割高に設定されているようだが、自分は満足している。
これ、訪問者アイテムなのだが、本来ならプロモカードなんでイベントとかでしか配布されてなかったらしい。熱い要望に応え、第三版には最初から実装するつもりとのことだが、私が買ったのは第二版。それでもなんとついてきた。作者さんから直接買っているが故のオマケだ。こういうのは嬉しい気づかいだと思う。
さらに
ご覧ください。素敵な木箱までついてきました。この木箱……
ハコオンナを収納するのにぴったり! しかも……
木箱に収納することで、「箱に閉じ込められたハコオンナ」っぽい感じになる。この木箱を黒く塗ればもっと雰囲気が出ることだろう。憎い演出だ。さすが。
アマゾン貼っとく。EJIN研究所というサークルで作られたゲームだそうで、出品者「EJIN研究所」のものを買うと、上記のサービスが受けられるはずだ。品薄が続き、転売屋さんが高額で出品してたりな時期もあったが、できれば作者さんにお金が落ちるよう、製作者さんから買ってほしいなあと私は思うのですよ。
↑製作者様HPのハコオンナの紹介ページ。気になる人はぜひ見ていただきたく。
以上、EJIN研究所の回し者みたいになっちゃったハコオンナの記事でしたー!
共生舎に来たら遊べるよー!