夏だが電気毛布をひきずりだす

山奥は雨、雨、晴れ、雨、大雨……みたいなペースであって、凄まじい湿度だ。

 

布団の湿気が半端ないのであるが、干すに干せぬ。じっとりした布団に挟まると、なんだか腐葉土の下の蟲にでもなった気持ちになる。あるいはシューマイ

 

この間、先輩山奥ニートの部屋に遊びに行った時のこと、この夏に電気毛布を布団に敷いていた。おや、ついに湿気で頭がおかしくなったかなと思ったが、その理由を聞いてひどく納得した。

 

湿気をとばすための電気毛布だと。しかもダニも殺せて一石二鳥。そう聞けばむしろ賢者の所業である。なるほど、暖房器具を夏に用いるという発想がなかった自分を恥じるより他にない。

 

山奥でも一日の長というやつか。さすが先輩である。この過酷な環境で数年過ごすということがどういうことなのか垣間見た瞬間だったと言えよう。知恵と体力が無ければ生き残れない環境だ。人里よりも人間力が試されるのが山奥である。

 

肉体は頑強でなければならない。病院は遠いし、何かあっても自己責任である。知恵を持たぬものは早々に廃れる。その辺に毒を持つ生き物が普通にいる場だ。ついこの間も蛍に似た虫を見て、「最近この虫をよく見るが何という虫だろう」と調べてみたら、かなり強い毒性を持つ「アオカミキリモドキ」という虫だった。この虫の毒はカンタリジンと呼ばれ、かつて忍者が暗殺に用いたほどの毒だと言う。アオカミキリモドキを別名ヤケドムシと呼び、この虫の毒に触れれば火傷したように皮膚がただれるのだという。知らずに叩き潰せば酷い目に合う。

 

やはり山奥は、当来人間の領域でなく神の領域であると思う。よってここに住まう者は絶えず神に試されることとなる。試練を超えられぬものはここでは生き残れない。軽い気持ちで踏み込んで良い場ではない。相応の覚悟と知識を要する。

 

夏虫や深山の神に試されり                 秋雷

 

今日も試練を受ける。しかし人里で住む人間よりも深山に住む我らの方がきっと強かろう。こうして人を超え、また妖怪に近づくのだ。深山には人の棲める隙間などない。いるのは神か獣か仙人か妖怪か。

人里に生け贄を要求する、邪悪な深山の妖怪になりたい。

 

熱帯夜深山の怪に成りにけり                秋雷

今日ゎボーナスで2句だょ☆ ゃったね、マヂ超ぉ得だょ♡

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