アベマTVに共生舎が映った
アベマTVのAbemaPrimeという番組に、共生舎が映るらしい。だからどうせ暇な私はそれを見ることにした。
画面に映っているのは私のいない共生舎だった。
私が実家に帰省している間に撮られたものだから当たり前だろう。
番組を見ながら、「あれ俺が住んでた所なんすよ」って誰かに言いたくなったが、そばには誰もいなかった。
きっと、山奥ではみんなでキャイキャイ言いながら見ているんだろうな。
すさまじい寂しさを覚えた。
G先生も出ていた。相変わらずデカい。存在感が凄い。G先生が喋っている映像があった。バナシさんの次にピックアップされている山奥ニートだった。G先生に一足先にテレビデビューされた。
見ながら、やっぱりG先生のことは好きだなあと思った。やっぱり彼はムードメーカーだ。あの映像だけでは伝わらないかもしれないけど。
バナシさんは生放送でスタジオにも出ていた。よく緊張せずに喋れるものだ。緊張しているかもしれないけど、割と平常運転のバナシさんに見える。さすが何度もテレビ出演している人は違う。こなれている。
なんか、遠いなあ。
みんな、遠いよなあ。
バナシさんとG先生以外はボカシが入っていたが、シルエットだけでだいたい誰かわかる。一人ひとり映るたびに、名前を呼んだ。学校を卒業してから疎遠になっていた親友に会えたみたいにうれしかった。
番組が終わった後で涙が込み上げてきた。ここは山奥じゃないんだなあって思った。布団はふかふかだし、虫の声はしないし、みんながいない。
山に帰りたくなった。私のあの荒れ果てた部屋に。あそこで小説を書くんだ。そして山の水でコーヒーを淹れて飲む。疲れたらリビングに行く。誰かしらがそこにいて、たぶんゲームとかをしている。私はそれを隣に座って見る。きっと、どうでもいい話を延々にする。眠くなったら部屋に帰って、腐葉土みたいなジメジメした布団に挟まって寝る。別にそれだけのことなんだけどさ、なんであんなに恋しくなるんだろうね。
ひぐらしの音とどかず静か夕間暮れ 秋雷
何の涙かな、これ。