八月の掲載句

・蜩や新聞彩る他人事

 

・蠛蠓の中を堂々と歩めり

 

・薫風や古い酒を舐める父

 

・夏深し慶祝したくも虚を突かれ

 

・夕月の声響くなり深山道

 

・烏賊に問う汝は敵か味方かと

 

・台風の怒る大声屋根叩く

 

・台風めそんなに叩くな早よ行けや

 

・嫌な物を蹴っ飛ばして台風過

 

ひぐらしや大人になる意を知らぬまま

 

・訊ね来て窓を叩けるかぶとむし

 

・台風過巨人の歩き去る深山

 

・蜘蛛の囲や旅立ち前の鬱心地

 

盂蘭盆会書棚を記憶で散らかして

 

・鵼啼くや古戦場の土になる

 

・山の土を恋しく思う盂蘭盆

 

・盆帰省あの思い出はカラー刷り

 

・ギヤマンや実家の匂いのなつかしさ

 

・夏の君月にまみれて人を辞め

 

・サイダーの泡に溶けゆく夜の景

 

・人の無き夜のプールを想起せり

 

・腐草すら蛍となるやメランコリー

 

ひぐらしや一時夜と化す深山

 

・蟻の住むティッシュの箱やニヒリズム

 

・炎天や心頭滅却ほど遠し

 

潮騒に呼ばれ気が散る夏の夜

 

・君の声聞こえぬふりせり扇風機

 

・海月飛ぶを眺める水底の人

 

・尾裂啼く深山の夜は冴えにけり

 

・夏風邪や里には里の風が吹く

 

ひぐらしの音とどかず静か夕間暮れ

 

・山は里里は山を恋う梔子

 

・秋近し友の便りを待つ夕べ

 

計33句かな。

 

玉石の混合が激しい感じ。あと、「ひぐらしや」で始まる句多すぎ。どんだけヒグラシ好きなん。

 

 

・サイダーの泡に溶けゆく夜の景

 

この句の是非について結構考えていた。色んな人からこの句いいよって言われて、いいの? って思って見つめ直してみた。「サイダーの泡」、「夜の景」自体は陳腐。効いているのは中七の「溶けゆく」だね。なるほど、夜も相まって眠そうな雰囲気出る気も。平易な言葉でも組み合わせ次第で良い効果だすなあ。「溶けゆく」の功だけの句だが、それはそれでいいかな。

 

・手酌せしサイダー囁く夜の部屋

 

同じような句だけど、こうしてもかっこいい。サイダーが囁くってね。おしゃれ。

 

 

結構、良い句もあるけどねえ。ゴミ句も目立つ。「言葉足らず」が目立っているかな。推敲が足りん。それでも文章書きか。

 

・海月飛ぶを眺める水底の人

 

先月で一番好きなのはこれかな。ギヤマンもいいけどね。たまにかっこいい句あるんだけどなあ。当たりはずれが……躁鬱激しいのが問題かな。九月は好きな月だから、落ちついてくれるといいけどね。

 

独りでに月見するかなメランコリー               秋雷

 

メランコリーリベンジ。んんんんん、微妙。悪くない……か?

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