共生舎俳句部「雷の句」

もはや俳句部やる気なくっておざなり。

 

【Φ梨】

 

・雷光に強張る体五秒間

 

・閃光に息潜め遠雷でした

 

 

【秋雷】

 

・弱きものの破壊せむと梅雨の雷

 コメント:雷の句は結構好きで多量に作った。これは意識高い系の句。割と嫌いじゃない。

 

・恋に堕つ音轟けり秋の雷

 コメント:私にしてはかわいらしすぎる。

 

・運命の如く音せり秋の雷

コメント:運命はこのようにして扉をたたく。

 

・見敵必殺轟き梅雨の雷

コメント:このタイプの発想多いな……。 

 

・稲光浴びて獣に成りし夜

コメント:雷の威力で獣性がむき出しになる。 理性など吹っ飛ばしてしまえ。

 

・神鳴りて深山の全て震えけり

コメント:どおおん、という振動。近くに雷が落ちると地震みたいになる。 

 

・遠雷や化け物の棲む山の音

コメント:まるで怪物の叫び声のよう。 

 

・轟雷降り注ぎ深山神威満つ

コメント:神威満つ、で雷に対して言いたいことの全てを語れている。気がする。かなり好き。 

 

・雷群れて獲物襲える深山かな

コメント:まるで獲物を追いつめる獣の群れみたいにバンバン落ちる。 

 

・雷尽きて人の変わったような空

コメント:擬人法。これも割とストレートで好き。 

 

・谷蟆や夢現混じる昼下がり
コメント:谷蟆はヒキガエルの古語。暑さ気だるさを割と表現できた句。

 

・夕立に襲われ深山逃げ場なし

コメント:山奥に逃げ場なんてねえぞ!!!

 

・蝙蝠や朱染めの天を覆わんと

コメント:ちょっと陳腐かなー。蝙蝠の句を上手く作りたいねえ。 

 

・君のと重なりて線香花火堕つ

コメント:これは歩歩氏が「線香花火して女の子とイチャイチャしている句」を詠もうとして失敗し、それを私が添削していたら「じゃあお手本お願いします」と言われたので10分で考えた句。その割には「線香花火で女の子とイチャイチャする」という過密情報を17音に収められている。落ちたのは線香花火だろうか、それとも恋に堕ちたのだろうか。あるいは重なったのは線香花火か。唇とかではないのか。10分で考えたにしては割と神がかっている。

 

・この世の虫全て死ねり良夜かな

コメント:今回の句ではこれが一番好きかな。良夜は月の明るい晩のこと。満月を見上げていると、あまりの美しさに心奪われて音が聞こえなくなる。それを「この世の虫が全て死滅したようだ」としている。月と私、世界にそれだけしかないような錯覚。 

 

【VV】

 

・雷鳴や(・∀・)ノとおもふ心かな

コメント: 共生舎で物議をかもした新時代俳句。

上五「雷鳴や」で切れている。そのため「雷鳴や/ (・∀・)ノとおもふ心かな」の二つに分解できる句である。
まず中七下五の「 (・∀・)ノとおもふ心かな 」であるが、作者いわく「 (・∀・)ノ 」は「やぁー」と音をあてるそうだ。
この「やぁー」は挨拶であるが思っているだけで声に出していない。それは何故かと言うと、上五「雷鳴や」で示されているように、ちょうど雷が鳴って音がかき消されてしまうからだ。
大雷轟いて音が聞こえない中、表情としぐさだけであいさつする様子を、本来音のないはずの顔文字であらわしている。ネット文化、若者らしい句であるが、それと同時に新たな可能性を感じさせる句。

この句の妙は「わざわざ雷の鳴っている日に会う」点だ。ということは天気が悪くても会わなきゃいけない大事な相手なのだがその割には「 (・∀・)ノ」と挨拶している。これは固い間柄ではない。普段から電子手段で顔文字を用いたやりとりしている相手だ。となると相手は女性なのではないかと勘繰りたくなる。

となれば、声が聞こえないのを雷鳴のせいにしているが、実際には照れ隠しなのではないか。もしかすると普段はネットでしかやりとりせずにいて、今日この雷の日に初めて会った女性なのではないか。恋の始まりを感じさせる
最初見た時はただ顔文字の奇抜さに目を引かれるが、噛みしめてみればかなりいい句。21世紀の俳句、といった印象を受ける。

 

・竜宮城その足跡にミミンゼミ

コメント:竜宮城という架空のロケーションに足跡という語をあわせている。セミの鳴く暑い日に、竜宮城を探しに子供らが駆け回っているような情景が目に浮かぶ。どこか涼し気な印象すら受ける。ファンタジー感もあって素敵。

 

【歩々】

 

朝顔のしぼむ姿にゆめうつつ

 

・蝉時雨 母の代わりに 怒鳴り散る

 

【ヨシ】


・夏蛙日に耐え期する夜遊び

 

【鮴羅】

・雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨

コメント: ぱっと見酷いんだけど噛みしめてみるとわりと俳句なんじゃないかと思う。
まず雨は無季なのでこの俳句は無季語俳句なのだが、それでもそれを10回も繰り返すことで「梅雨」を連想させている。無季でありつつ季節を感じさせている。
ただ雨と言う語を繰り返してるだけの句であるが、それゆえに梅雨が長引いて雨に対して何の感慨も抱かなくなりただ「雨」としか思わなくなったあのげんなりとした梅雨のころを想起させる。さらにこれは上五中七下五でそれぞれ1字あまり、計3字もあまっているのだが、この3字の字あまりも、雨ばかりがずっと続く季節の憂鬱さを表すためのリズム崩しであると思えばなかなかに妙である。ただし雨以外の情景が伝わってこないことは否めない。

 

・己より虫のが元気な夏日和

 

・午の刻夏の暑さに苛まれ

 

・徹夜のちひぐらしの音と落ちにけり

 

ひぐらしの 音色で目覚める 午前四時

 

 

何気に1か月以上も放置していたのでそこそこの数は収集できた。質自体も悪くない。

 

自分の句も、「句を詠もう」と思って詠む句はそこまで悪くないと思う。つまりここに載せた奴は割と出来がいい。やはり「ブログの末尾に載せよう」と思えばおざなりになる。そりゃ毎日詠んでるわけで、おざなりにもなっちゃうのはわかるけど。でも良くないよなあ。あくまでも句は韻文詩なんだってことをもっと強く意識すべきか。

 

何者か考える間に秋になる                秋雷

 

秋はいい季節だ。俳句を詠むに最も適した季節ではなかろうか。これでちょっとは活動が活発になることを祈ろう。

 

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