知略系アシダカグモ
蜘蛛画像注意!!
共生舎の入口にある電灯は羽虫の集会所と化しているが、そこで待ち構えてやってきた大きめの羽虫をガブリといただこうという知略系アシダカグモである。聡い聡い。
現に蜘蛛は虫類の中ではかなり大きめな脳を持つとか。
共生舎ではよく見られる風景である。頻繁にアシダカグモとは遭遇する。自分は一番好きな虫が蜘蛛であるゆえにむしろ見かけるとテンション上がるが、読者諸氏はいかがなものだろうか。実家に居た頃は見たら一日ラッキーな感じに思っていた。ここでは頻繁に見るためそんなにありがたみはない。でもかわいいとは思う。
男が十数名一緒に棲んでいたらそりゃゴキブリだってわくだろうと思われがちだがあまり見ない。全くいないわけではないが、よほどアシダカグモの方が見る。みんな食われてんだろうな。
蜘蛛は害虫を食する益虫であって悪い虫ではない。何故か悪く言われることの多いのに憤慨である。人によってはゴキブリよりも嫌悪感を示すという。正気かと思う。
一説にはアシダカグモはわざわざ害虫駆除のために大陸から輸入してきた蜘蛛なのだと。言ってみれば正義の味方だ。生粋の殺し屋然とした本能を持ち、今捕食中の死骸を捨て置いて自分のそばを通るゴキブリに襲い掛かったりする。食うために殺すというよりは殺したから食うという風だ。
しかしアシダカグモはおとなしく臆病な蜘蛛で、人間に危害を加えることはほぼない。毒性もない。消化液は殺菌能力に優れ、これで長い足を掃除するためにゴキブリに比べて清潔な虫である。よく私を足場だと勘違いして背中辺りに飛び降りてきては、「しまった」とばかりに身体を硬直させて動けなくなっていたりする。どじっこかわいい。
そもそも蜘蛛は足が八本あって、八という数字は末広がりで良い。
そういえばセミとか食ってたなあ。でかいセミも食うのかと驚いた。きっとカマドウマとかも食べてくれてるんだろう。山に来てはじめてカマドウマを見てゴキブリの次くらいに悪意に満ちた造型だなと思ったものだ。まあカマドウマは無害であるが。
蜘蛛走る夜の白けて明くる頃 秋雷
蜘蛛は好きだな。アリグモもちょこちょこと前肢を上げ下げしてかわいいし、ハエトリグモは見るからにかわいい。セアカゴケグモは有毒であるが色合いは綺麗だし。あー、でもジョロウグモがなー。共生舎でも私の部屋のそばでよく見るが、ジョロウグモだけはあまり好みの外形じゃない。派手過ぎるよな。アシダカくらいでやめにしといたらいいのに。
中でもやっぱりアシダカは優美で美しい。そのほっそりとした足、図体に似合わぬ謙虚さは気品すら感じる。良き虫である。嫌う人が多いのかもしれぬが私は好きだぜ。