3月の俳句

・春待つや枯るる景色に栄える青

 

・冬木立何か云っても直ぐに消え

 

・死ななくて良かったと思う朧月

 

・黒土のふっくらとせり風光る

 

・もやもやを吹っ飛ばしていく春嵐

 

・また消えり他人のような春の星

 

・春の闇の底に溶けり監的哨

 

・春嵐の声聴き流して眠る朝

 

・宵闇の流れに乗りぬ梅の香

 

・初蝶のすまし顔にて翅を干し

 

・よもすがら椿の赤で庭埋まる

 

・鳥風やおろしたてのセーラー服

 

・春まけて倒木真似るだけの日々

 

・底なしの霞の海に沈みけり

 

・龍の通り道のような春の空

 

・春風過ぎて草原ぞおおと云う

 

・春風と電車並走する海辺

 

・山の村まだ下手に鳴くホトトギス

 

・うつらうつら椿の眠る風の宵

 

・ぴゅうと風が過ぎ去る午後水温む

 

・桜浮く川の水源を夢に見る

 

・桜咲く時機だけ人は上を向く

 

・春という暴力が風に流されて

 

・早歩き桜咲いたか知らぬ人

 

・桜の歌生まれて今年がはじまる

 

ホトトギス上手く鳴く頃旅立ちぬ

 

・さくらみちピンクのマダラに覆われり

 

・花見なんて関係ねえなとごちる

 

・どこで付けたか肩に桜一片

 

・桜散らないんじゃないかという樹勢

 

・青白き桜ぬっと立つ夜道かな

 

とりあえず桜で詠んどけばいいやん感(毎シーズンこんなもの)

 

どうにも最近、暗鬱の日々である。何をするでなく、何になるでなく。

 

人生ってなんだろうよな。

 

四月馬鹿につく嘘もなく寂しい吾          秋雷