SFについて

 SFといえば「サイエンスフィクション」の略であるが、後輩山奥ニートの一人が何度も「スペースファンタジー」と言う。おそらくスペースオペラのイメージなのだろうけど、そんなにスぺオペにひきずられるものだろうか。自分にとってSFとはサイバーパンクのイメージが強い。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」とか。

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夏だが電気毛布をひきずりだす

山奥は雨、雨、晴れ、雨、大雨……みたいなペースであって、凄まじい湿度だ。

 

布団の湿気が半端ないのであるが、干すに干せぬ。じっとりした布団に挟まると、なんだか腐葉土の下の蟲にでもなった気持ちになる。あるいはシューマイ

 

この間、先輩山奥ニートの部屋に遊びに行った時のこと、この夏に電気毛布を布団に敷いていた。おや、ついに湿気で頭がおかしくなったかなと思ったが、その理由を聞いてひどく納得した。

 

湿気をとばすための電気毛布だと。しかもダニも殺せて一石二鳥。そう聞けばむしろ賢者の所業である。なるほど、暖房器具を夏に用いるという発想がなかった自分を恥じるより他にない。

 

山奥でも一日の長というやつか。さすが先輩である。この過酷な環境で数年過ごすということがどういうことなのか垣間見た瞬間だったと言えよう。知恵と体力が無ければ生き残れない環境だ。人里よりも人間力が試されるのが山奥である。

 

肉体は頑強でなければならない。病院は遠いし、何かあっても自己責任である。知恵を持たぬものは早々に廃れる。その辺に毒を持つ生き物が普通にいる場だ。ついこの間も蛍に似た虫を見て、「最近この虫をよく見るが何という虫だろう」と調べてみたら、かなり強い毒性を持つ「アオカミキリモドキ」という虫だった。この虫の毒はカンタリジンと呼ばれ、かつて忍者が暗殺に用いたほどの毒だと言う。アオカミキリモドキを別名ヤケドムシと呼び、この虫の毒に触れれば火傷したように皮膚がただれるのだという。知らずに叩き潰せば酷い目に合う。

 

やはり山奥は、当来人間の領域でなく神の領域であると思う。よってここに住まう者は絶えず神に試されることとなる。試練を超えられぬものはここでは生き残れない。軽い気持ちで踏み込んで良い場ではない。相応の覚悟と知識を要する。

 

夏虫や深山の神に試されり                 秋雷

 

今日も試練を受ける。しかし人里で住む人間よりも深山に住む我らの方がきっと強かろう。こうして人を超え、また妖怪に近づくのだ。深山には人の棲める隙間などない。いるのは神か獣か仙人か妖怪か。

人里に生け贄を要求する、邪悪な深山の妖怪になりたい。

 

熱帯夜深山の怪に成りにけり                秋雷

今日ゎボーナスで2句だょ☆ ゃったね、マヂ超ぉ得だょ♡

世界の生成

私は「ハイファンタジーを書くなればまず世界から作らねばならぬ」と考える者である。

 

今回の作品は異世界転生モノであるためハイファンタジーである。ハイファンタジーとは現実世界とは完全別種の異世界で繰り広げられる物語である。ハイファンタジーを書く上で、“異世界”を軽んじる者はドラゴンに踏まれて死ねと思う。

 

そこは現実世界とは別の独自のルールに縛られている。例えば魔法が存在し、例えばドラゴンが空を飛ぶ。

 

昨今のファンタジー書きはこの異世界の設定を軽んじてはいないか、と個人的に思う。いわゆる先人たちが培ってきたステレオイメージをそのまま流用している者が多い。というか、そのステレオイメージはファンタジー小説のステレオイメージでなく、ファンタジーRPGのステレオイメージだったりする。今や若い小説書きはゲームを下敷きにして小説を書いている。

 

D&Dが培ったような、あの世界だ。ゴブリンを蹂躙し、ファイアボールをトログロダイトに叩き込み、剣もってドラゴンに挑む。当たり前のようにパーティーを組むし、何の疑問もなく魔法や魔物が跋扈する。

 

これは思考の放棄ではないかと思うのだ。もっと考えろ。

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5%

頑張って毎日のごとく俳句を詠んではいるが、気に入った句というは少なく、納得のいく句というのはもっと少ない。

 

たぶん100句作って5句あるかないかではないか。出現率5%の傑作である

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百蟲俳句「蛍の句」

「蛍」という季語は非常に良い働きをする。私が季語の働きを説明するためによく持ち出すのが「蛍」という語だ。

 

・まず夏の季語である。

・時間を書かずとも夜であることが容易に想像できる。

・場所は川のそばであろうことが想像できる。それも清流であるため周りは自然豊か。

 

と、蛍という一語のみで季節と時間帯とロケーションを示すことができる。蛍と書かれた途端に、夜の田舎の川が脳裏に浮かぶ。その川のせせらぎすら聴こえてきそうである。

 

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今日は何も書くことがないので自分分析でも。

よく、自分の作風から自分の性格や性癖のようなものを分析する。

 

自分の作品は大別すれば「ファンタジー」か「SF」で、そこにホラーやダーク系要素が着色されることが多い。現実逃避したいんだろうなあって本当に思う。

 

現代日本が舞台の作品なんて、一部のホラー系くらいだろう。ほとんど異世界の物が多い。

 

あと、人間以外の種族がよく出てくる。それも隷属種が。SFなら「アンドロイド」とか、ファンタジーなら「召喚獣」みたいな。人間より人間以外の知性のが好きだ。人間嫌いなんだろうな。それも隷属種が好きっていうのは自分を認めてほしいんだろう。小さな承認欲求だ。言ってみれば、基本的に飼い犬は飼い主を絶対的に支持するわけで、そういう無条件の支持ってのをしてほしいんだろうなあと。

 

女性キャラ。とくにキーパーソンとなるキャラは、主人公を絶対的に容認してくれるようなキャラが多い。上の理由と同じなんだろうな。どれだけ承認欲求強いんだよとゲンナリする。恋人というより母親みたいな感じ。マザコンではないつもりなんだけどなー。

 

最近、俳句を詠んでるわけだが、そこでも「闇の中の光」みたいなのが好きだなって思う。私の詠む句は夜の句ばっかりだ。それはもう昼夜逆転した生活を送っているのも原因としてあるだろうけどね。

クラゲの句で詠んだ
・夜夜中海原一面海月咲く
の句も「闇と光」と言えよう。こういうのばっかり。この句は今のところ一番好きだけどさあ。この句みたいに闇の中にいる自分が、光っている何かを見ているみたいな句が多い気もする。まんまのメタファー。いやだなあ。なんか。いかにもオタクっぽいわ……

 

何かせむ何かせむと木下闇              秋雷

 

あ、木下闇は「こしたやみ」と読みます。木の下の枝葉によって暗くなった所を言います。美しい季語ですね。

やっぱ転生モノを

月下冥土を書くつもりだったが、ふと思いついた転生モノが面白そうなのでこれを書こうと思う。

 

とにかく自分の思いつく作品はヘヴィ系ばっかりで、筆力が一切おいついていない。ここでライトな転生モノを一回書いて経験値とし、その後に本命として「月下冥土」を書きたい。

 

月下冥土以外にも書きたい本命の作品はいくつもあるんだけどね。全部書きづらそうなヘヴィ系なんだよ……。筆力足らんて……

 

内容についてはまだ何とも言えないけど、自分の持つ生物学の見識や、ちょっとクトゥルフ神話的要素も入れた感じの作品にしようと思う。自分で書いてて「納得がいく」ことが大切で、そのためには自分の好きな分野で戦うべきだと。

 

あと、台風3号の影響で22時くらいまで停電してた。たぶん16時くらいからかな? 5、6時間は停電してたことになる。水が止まるよりはいいけどさ、それでもかなり苦痛だったなあ……他の山奥ニートたちがみんなテンション低かったのも面白かった。電気通じないと人間、ここまで元気なくなるのかと。

 

ライフラインが簡単に止まるところが山奥の良くないところだと思うわ……

 

 停電の部屋の隙間へ溶ける蜘蛛                 秋雷