今世は二周目なり
G君とチャットしてて、「ピエールさん、人生ってなんで一度なんですかねぇ」って言われた。私も確かにそう思う。
3回くらいあってもいいやん。なんで1回きりやねん。ケチ。
でも二人でそんなこと言っててもしょうがない。少し考えて、私はこう返した。
「じゃあ、Gくん、2回目の気分でやればいいのでは?
今の人生は2周目。
1周目は失敗に終わった。でも2周目は努力次第で結末が変わる」
もし、本来1回こっきりしかないはずの人生を、すでに台無しにしていたなら。そして、神様の気まぐれか何かで、2回目を与えられていたなら――。
私たちの行動次第で、来るはずのBADENDが書き換わるなら。
頑張らないと、いけないんじゃないか。
そもそも生きるってこと自体、実はとんでもないことだ。様々な奇跡の上に我々の生命が乗っかっている。ほんの少しバランスを崩しただけで、深淵の向こう側へと転がり落ちてしまう。奇跡的なバランスの上にちょこんと生命が乗っかっている。
今、ここで生きていることは、実はとても特別な事なんだ。
でもそれを意識することはない。我々は「特別」を浪費して生きている。
だから今世は二周目。
すでにその「特別」を貪婪に浪費し、後悔をいくつも重ねたような思いをして、BADENDを迎えた、後の世界。
当然、今世も前世と同じく浪費して過ごせば同じBADENDを迎える。それを回避したくば――時間を丁重に扱うべきだよな。
いつも悔やむのは、何もかも終わった後なんだよ。その時どれだけ後悔しても後の祭りだ。だから今世は二周目。一回、何もかも終わらせちゃって、酷い結末を迎えて、後悔に後悔を重ねて、何かのはずみに2回目を与えられた、二周目。
後悔を終わらせるための二周目。
枯葉走る私は私の速度で 秋雷
一周目の私は莫迦だったけど、二周目の私はどうかな。ちょっとは健闘しろよ。三周目は無いぞ。