山奥ニートだけどアナログゲームを紹介してみる「Blade Rondo(ブレードロンド)」

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意志砕きの鉈「はい、カードみせてね……あ、残り攻撃カード舞踏剣だけね。じゃあ舞踏剣を捨て札でwww」

 

 

というわけで(どういうわけ?)「山奥ニートだけどアナログゲームを紹介してみる」第7弾はBlade Rondo(ブレードロンド)!!!

 

 

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花屋の魔女姉妹、姉の方こと「爆炎の魔女フローディア(フレアビスカス)」たそが箱絵ですね。今作も麗しい。

 

 

箱絵の雰囲気でお気づきかと思います。

はい、私のブログでは毎度おなじみ、DOMINA GAMES(株式会社風栄社)のゲームですね。

 

で、すでに美少女鑑定眼をお持ちの方は気づいていらっしゃるかもしれませんが、実は、この箱絵いつもの絵師さんではないのですよ。DOMINA GAMESといえば「asahiro」氏というイラストレーターさんの唸るような耽美で、小気味良い厨二で、美しい童話のようなイラストによる、優麗な世界観のゲームを出しているところだったので、違う絵師さんなのはビックリ。今作はどうやら複数の絵師さんが携わっている様子。

 

買う前はちょっと心配してたんですよ。「asahiro」氏のイラストだからこそのDOMINA GAMES。他の絵師さんを起用することであの痺れるような甘い悪夢めいた世界観が壊されちゃうんじゃないかって。どうやらゲームシステムはソーシャルゲームトレーディングカードゲームっぽい感じみたいだぞ、ってわかった段階で、よもやよくあるソシャゲやTCGみたいに肌色の多いエロかわ路線の娘だらけになって、世界観が台無しにならないかと。もしかしたら今作は外れかもしれないな。でも僕はDOMINAが好きだから買うぞ……と思って買いました。いやはや――

 

 

杞憂でしたね

 

「asahiro」氏と似た系統の絵師さんを起用したようで、従来のDOMINAの雰囲気を損なわずに、むしろ憂鬱で耽美な世界観がより広がったような印象を受けました。すばらしい……これは……良いものだ!!!!

 

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麗しきカードたち。剣カードだけで20種もあるし、20種全部イラストが違う。

 

ちっちゃい字でフレーバーテキストが全カードにふってあるんだけど、それがいいんですよ! 想像が膨らむ。こういうの大事。とっても。DOMINAさんはホントわかってらっしゃる。フレーバーテキスト読むと同じ絵師のキャラ同士が姉妹設定になってたりする。最低でも3ペアはいたかな。「花屋姉妹」と「生け贄姉妹」と「大虐殺巻き込まれ姉妹」。姉の方が強力だが癖が強く、妹の方が往々にして使いやすいのも萌える。こういうキャラゲーに対して、各キャラに関係性みたいなのがあるとすっごく萌えるんだけど、僕だけであろうか。いや、そんなことはあるまい。

 

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花屋の魔女姉妹。姉は切り札として、妹は通常攻撃として。双方共に非常に使い勝手がいい。

 

今回もコンポーネントとっても豪華よ。

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カウンター10面ダイスが3色、ライフストーンが1コ、パラメーターボード1枚

 

で、これが二人対戦ゲームだから2セットあるっていう。割とこのカウンターダイスは他のゲームにも活用できるし、これだけでも充分お得感あるね。ライフストーンはガラス製だからずっしりしてて高級感あるし。DOMINAさんとこのコンポーネントには毎回信頼感ある。

 

カウンターがあることからわかるように、管理する数値が多い。デジタルのトレーディングカードゲームっぽいゲームシステムだね。でも一番わかりづらいのが毎ターン1ずつ増えるボルテージの数値くらいで、他の数値についてはたいして煩雑さは感じなかった。ボルテージだって毎ターン1増えるだけだから、忘れなきゃいいだけ。ボルテージはコスト上限のことやね。ボルテージの値を超えないようにコストを用いるシステム。他のカードゲームでもこういうのはよくあると思う。ターンを経るごとにだんだん苛烈になっていく感じ。

 

ルールも、この手のゲームにありがちな、複雑でかなり込み入った説明をしなきゃなんない感じのではなく、軽く説明したら始められるくらい簡素だし。非常にとっつきやすい。

 

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剣カード。20種×2で40枚もある。このうち15枚を無作為に引き、その中から手札にする7枚を選別する。自分でデッキ作っていい系やね。この辺は前作「MIRARIS」を彷彿とさせるね。

 

上の写真にあるように剣カードは4色に分かれている。赤、青、緑、紫。なんとなく「Night Clan」を思い出すね。DOMINA GAMESのお気に入りカラーなんだろうか。4元素感ある。

 

……物理攻撃のカード。毒などの追加効果があったりするものも。威力はパラメータの攻撃力に依存する。敵の防御力によってダメージが減らされてしまう。カード名は刃物類に由来する。

 

……魔法攻撃のカード。敵の防御力を無視してダメージを与える。切り札にできそうなカード多数。カード名は花の名前に由来する。

 

……補助のカード。回復とかパラメーター上昇系とか。あったら便利な感じのカードが多い。カード名は音楽関連の語に由来する。

 

……布石のカード。敵の攻撃カードに備え、あらかじめ伏せておく罠カード。あらかじめ布石を打つ、の意か。あるとないとでは勝率が大いに変動するが、不発に終わるケースも多々。カード名は宝石類に由来する。

 

と、ネーミングにまで規則性を持たせてて、設定厨としてはすさまじく萌える。魔法攻撃のガウラミアズマだけわかりづらいけど、ガウラが花の名前で、ミアズマが瘴気みたいな意味かな。敵味方問わず傷つける彼女にはふさわしい名か。

 

 

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あと呼吸法ってカードが3種。加熱法は攻撃力上昇。加護法は防御力決定。あと鼓動法は後手のみが取れるカードで、まあ後手に対するハンデですな。あとハンデはもう一つ、攻撃力+1されるってのがある。

 

後手へのハンデがあるおかげで、先手後手にあまり強弱がない印象。でもまあ後手だと攻撃力に最初から+1されてるおかげで物理攻撃で攻めやすいかな。逆に先手は魔法攻撃のが良さそうかも。あくまでも傾向にすぎないから、後手で魔法主体でも勝てるけどね。

 

一度の戦闘に、7枚しか剣カード持っていけないので、基本的にライトな感じで楽しめる。他のガチで数十枚にも及ぶデッキ組んでやるトレーディングカードゲームより、こっちのが気軽だし、一度の戦闘も短めで何度もできる。運の要素もあるから負けても言い訳が効くしね。それってボドゲの世界では、実は大事な事なのですよ。

 

運が絡まないゲームだと、負けると嫌な思いをすることもしばしば。これだったらわりと負けても「運が悪かったからしょうがないか☆」で流せるし、勝ったら嬉しいし。こういうライトなトレーディングカードゲームやりたかったんよ。

 

ゲームシステム的には選んだ7枚のカードを駆使しつつ、相手のライフを0にする、よくあるカードゲームっぽい感じね。でもわかりやすいわりに戦略性も十分ある。僕はかなりお気に入りよ。

 

前作「MIRARIS」でもべた褒めだったけど、でも僕はバッティングゲーム苦手だからねえ。全然勝てなかった。今作はいいよ。カードゲーム脳みたいなのができてない僕でもそこそこ勝てたし。めっちゃ面白い。女の子はキュートでダークで、麗しいしね。

 

 

じゃあ毎度おなじみ個人的に好きな剣カードランキングベスト5発表するよー!

 

今回もねー。20種全部かわいいし、甲乙つけがたい。明日同じランキング作らせたら内容変わってるかもしれない。それくらい僅差だし、ゲーム的に使えないカードが見当たらない。全カードが何らかの役割を持つし、切り札になりうる。良いバランスだと思う。今回も泣く泣くBEST5を選んで紹介するよー

 

第5位、舞踏剣(シャンヌイ)

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この1枚で3コス2連続攻撃ができるカード。斬撃剣2枚だったらコスト2なわけだが、7枚しかない貴重なカード枠を2枚もとることになってしまう。後述するアゲートで縛られる可能性を加味しても、舞踏剣の方が優秀ではないだろうか。物理攻撃型構成だと充分切り札になりうるカード。フレーバーテキストによると王女らしい。なるほど高貴かわいい。屍山血河を踊ったらしい。

 

 

第4位、フレアビスカス(フローディア)

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箱絵にもなっている、花屋姉妹の姉。姉か妹か記載がないがたぶん姉。コスト4魔法攻撃6は驚異的。ライフが最大15なので3回殴ったら殺せる計算。もちろんそのためには手札を0枚にしなけらばいけないのだが、このゲーム、わりと手札を無くすのは簡単。もっとも発動しやすく、もっとも簡易で、もっとも強烈な切り札。弱点は後述するアゲートや鉈。まごころ一つで人間と打ち解けて花屋を始めた魔女らしい。強力な能力の割に清純派設定かわいい。

 

 

第3位、封厄のアゲート(ドドーナ)

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敵のメイン攻撃手段を破壊するカード。何ならこれ使われるとその後詰むケース多々。切り札殺し。このカードを警戒するあまり、二種類の攻撃手段を用意しておくことも多々。このカードのイラストは「asahiro」氏なんだけど、「asahiro」氏絶対メカクシ系好きでしょ。前々作「ARGOAT」のゴミ山の娘、前作「MIRARIS」のエルやアンノウンとかもメカクシ系だったし。いやー、さすがに特殊性癖過ぎませんかね僕にはクリティカルなんで問題ないですけどぉ!!! ドドーナたんかわゆす。メカクシかわいい。

 

 

第2位、意志砕きの鉈(デイジーデイジー)

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物理攻撃系にも関わらず、相手の手札から1枚捨て札にさせてしまう恐るべきカード。相手の手札が3枚以下の状況で用いればもはや切り札処刑人と化す。ただし物理攻撃は布石によって対策されやすいために不発に終わるケースも。しかし発動すればいかなる敵の切り札とてこの鉈の前では無力化されてしまう。魔法型にも関わらず、鉈のためだけに攻撃力上げるケースすらもある。敵の手札が少なくなる終盤で使用するべき。物騒な名前だし見た目もおどろおどろしいわりに、フレーバーテキスト的にはなんか豪放磊落で善良な女盗賊っぽい。ギャップ萌えかわいい。何でもいいが、私は他人からカード取り上げて破壊するの大好きなんだな……(前回「MIRARIS」参照)

 

 

第1位、トリビュートリリィ(ゲルダ)

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基本的に、決まればそれだけで勝利。相手のライフに等しい数値の防御無視攻撃を放つ。まさに勝利を呼ぶ死神。ただしコスト8は全剣カード中最大コストであり出しづらい。さらに対策手段としてパールが存在する。あとダイヤモンドと鉈。ダイヤはともかくパールと鉈は非常に恐ろしい。ただ、意外にボルテージ8までもつれこませること自体は割とある。見た目以上に、わりと狙える切り札である。そのためにパールが居るのだろうが。フレーバーテキスト的には大虐殺に巻き込まれた姉妹の姉の方で、生霊らしい。大鎌はそのうち流行るであろうオシャレアイテム。最強かわいい。大鎌かわいい。

これで勝った時はめっちゃ気持ちよかったなあ!!! 

 

共生舎で何戦かしてみたんだが、トレーディングカードゲームにうるさいA氏もわりと楽しんでプレイできたようなので、結構システム的にもいい感じなんじゃないかな。A氏はシステムに穴があるとうるさいので。ただ、ボドゲ小箱にしては20種のカードは多めであるが、トレーディングカードゲームだと思うと20種はかなり少ない。ヘヴィローテーションすれば、そのうち型ができて戦略が固定化されちゃうかも。拡張版欲しいなって思うけど、さすがにDOMINA GAMESは拡張は出さないだろうしなー。うーむ。

 

ボドゲ好きにもトレーディングカードゲーム好きにもおすすめできる逸品。さっきから二人対戦の説明しかしてなかったけど、実は1人プレイもできる。お友達のいない人やなかなかボドゲ仲間で集まれない人でも遊べる。1人プレイ可はわりとありがたいよ。ボドゲの大多数はいっしょにやる友達いる前提でデザインされているし。なかなかボドゲやるために集まれないよねえ。共生舎みたいにニートが集まってくらしているならともかく。

 

Blade Rondo

Blade Rondo

 

※2018年5/12現在、在庫切れのせいかAmazonでの値段が高騰しているようです。 私が予約で買った時は2800円程度でしたが今確認したら5400円になっていいました。DOMINAさんがさらに刷って在庫増やしたら値段も落ち着くでしょうから、買うつもりの方はもう少し待った方がいいかもしれません。共生舎にあるので、どんな感じか知りたい方はうちで遊んでいくのも手かも(共生舎はたどり着きづらい山奥にありますが……)

 

※2018年5/17現在、値段が落ちついたっぽいです。よかった。

 

今度1人プレイの記事もあげますねー。